学校関係者で、この言葉が多用されていることに、これまで気づかなかった。
合意形成(Consensus Building)とは、公共政策などを策定するに際して、利害関係を調整したり、視点や着眼点を増やすなどにより、「合理的な」意思決定を行う上での発想と手法と捉えられる。そこで必要になるのは、次の点だろう。
1.利害に関わるデータ⇒譲歩や説得を行うためには、ゲーム上のコマ(データ)が明らかでなければならない。
2.いま持ち得ている視点や着眼点⇒どのようなルール(原則)のもとでゲームをして、また行えそうなのかを整理していなければならない。
さて、「校内研究における教職員の合意形成」などと学校では言われるけれど、上の二つを満たしているだろうか。つまり、
1.どんな利害関係があるのか⇒合意することそのものが目的になってはいないか?
2.どのような視点で議論しているのか、それを広げたり、狭めたりするというルールが整理されているのか⇒どこがいかに合意されていないのか、どのような合意がありうるのかについて確認されないままに議論が始まっていないか。
「学校は民主主義を学ぶ場である」と今なお自負するのであれば、教職員間の合意形成についてはどうか、振り返ってみる必要はないだろうか。