NHKクローズアップ現代、2012.3.7 を見た。
アニメに描かれた風景の元となった場所を見つけようと、若者が各地を「聖地巡礼」する話。今や全国400カ所に上り、その経済効果も小さくないという。
興味深いのは、そうしたファンを当て込んで実在する風景をアニメに用いたのではなく、アニメの視聴者が増えたために時間のかかる作品づくりが難しくなった会社が、手短に身近な風景や建物をモデルに使いはじめたことが、意外にも大きなヒットに結びついたという、想定外の事態だ。
つまり、事前に予期しなかったことが大規模に生じた好例であり、経営学の分野に絡ませるならば、PDCAが当てはまらないということになる。ちなみに、想定できるものは、たいてい退屈、これも不思議なことだろう。
さらに面白いのは、アニメに出てくる架空のお祭りなのだが、ファンの後押しかファン狙いか、実際のお祭りとして始まったということだ。瓢箪から駒のことが意外に現実を左右する、「頭でっかち」だとこうした物の見方を忘れてしまいがちなのだろう。
古くさかのぼれば、お伊勢参りもそうだったのかもしれない。人間にかかわる現実を説明することは、かくも難しい。