日経産業地域研究所によると、1年を通してネクタイを締めない人が約3割に達しており、「環境が許せば外したい」という人は、83%に達したという(日本経済新聞社、2012.3.13)。
ネクタイを締めなくても、それはいかんよと指摘されることはない職業柄、好きにさせてもらっているので、私もネクタイをすることはまずない。年に数回あるかどうかかな。
ものの本によるとルイ14世が雇った親衛隊、首に巻物をした人を「誰か」と尋ねられて「クラバット」(cravat:クロアチア人)と言ったのが、ドイツ語の場合、Krawatte(ネクタイ)の始まりになったという。一団を自認する人たちによるトレードマークだったようだ。ならば、同じ会社の人がいろんなのを着けてたらおかしいやん。
ネクタイをしないのは相手に失礼だという声も聞こえるが、もともとのネクタイは、ネッカチーフのようなもので、首を絞めることとは無関係、19世紀後半ですら蝶ネクタイ、結び目だけを強調するものだったという。ことほどさように、「伝統」「常識」「作法」というものは、まあまあ新しいのだ。
私がノータイなのは、苦しくないし、頭が少しは回るから。首を圧迫してたら血圧も上がるというし、何より仕事の効率が上がると思われない。そんなムリせんでも、と思う。ネクタイをしている人からの、「あんた、してへんね」という眼差しも好かんし。校内暴力が著しいところでは、生徒につかまれて危険ですらある。
何が失礼かは時代とともに変わる。今後、いっそうノーネクタイが広がることを期待したい。