きのうは卒業式、夕方からは卒業記念パーティーが開かれ、学生の企画でプログラムが進んだ。
司会の学生の軽妙な語りで案内がなされ、学生が4年間を語る、それぞれに笑い、涙あり、濃厚な大学生活を過ごしたことがよくわかるスピーチだった。何よりと嬉しく思う。
それにも増して印象深かったのは、集った面々が和みつつも、振り返り、考えられるシーンに満ちていたこと。会場は今どんな雰囲気になっているのか、各々がどんな風に話をすればよいのか、また歌を披露すればよいのか、そして自分がどのように動けば良いのか、その按配に長けた学生が多く、彼らの振るまいが適度な距離感に支えられていたことだ。
遠慮しつつも大胆な物言いをすること、同じ専攻メンバーであることを喜びつつ、違いを認めること、皮肉と自嘲のぎりぎりの笑いをとることなど、彼らが互いを慈しんでいる様子がよく伝わった。
今の世は「コミュニケーション力」が流行りだけれど、それは自分だけで発揮できるものではない。相手に受け入れられる自分を見せること、暖かな目線を送ること、また相手から学ぼうとすること、こうしたやりとりをくり返して、コミュニケーションのできる関係が育っていくように感じる。
卒業していった学生が、そうした素養をすでに身につけていることを、誇らしく感じた夜だった。