学校・教職員の現在と近未来-榊原禎宏のブログ

美しい、きれい、キレイ

「美しい心」や「きれい好き」は、学校の目標や道徳の主題にまま見られる言葉だ。

潔さや衛生的なこと、整頓などを示すものとしてはわかる。でもそれは、「キレイ」の意味にはならない。

からだ全体と各部の絶対値と比率、とくに顔立ちがどうかは、まず自分のイメージ、さらにはアイデンティティを支えるきわめて重要な指標であり、つぎに他者に自分をアピールする上での大切な「元手」である。それは、背の高さ、足の長さ・大きさから、唇の形や歯並びまで多岐に及ぶ。

大人になるのを待たずほとんどの、とくに女性が自分の容姿を四六時中ほどに気にかけ、化粧やダイエットに励むのはその証であり、「自分らしさ」に納得したいゆえだろう。このように理解できるなら、それまでに受ける教育は彼らの近い将来といかに噛み合っていないことだろうか。

学校において、一連の行為は「思いやり」や「優しさ」にもとづくものであり、交換活動としては捉えられないのと同じように、「自分の良さ」「人間としての成長」についても、すぐれて一元的で、また操作対象とも捉えられにくい。

ある女の子には、人間としてよりも女としてあることが大切であり、そのために「プチ整形」も厭わないのだが、「若いのだから」「そんなことにお金を遣わなくても」と、教員をはじめ大人に制止されがちである。ある男の子には、ニキビを抑え、爽やかに見えることが第一なのだが、「それより勉強に励め」「格好ばかり気にする人間になるな」と叱られる。いずれも彼らに届くメッセージにはなりえないだろう。

大人世界の「先兵」である学校は、どうもこうした価値や規範に関わる分野が苦手なようだ。ひょっとしたら、それを十分に承知の上、ハナから反面教師を目指しているのかもしれない。
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by walk41 | 2012-03-27 00:29 | ことばのこと | Comments(0)
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教育学の一分野、学校とその経営について考えます。
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