女性教諭が男子生徒にセクハラ 神戸市、懲戒免職に
神戸市教育委員会は13日、市立高校に勤める40代の女性教諭が2010年7月から1年間にわたって男子生徒にキスするなどのセクシュアルハラスメントを繰り返したとして、昨年8月19日付で懲戒免職にしていたことを明らかにした。
女性教諭は男子生徒が所属する運動部の顧問。体育館の倉庫で抱きついたり、携帯電話に「ちゅーして」などと書いたメールを送ったりしていた。2012/04/13 【共同通信】
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榊原禎宏・森脇正博「教員は健康に働けているか-教員による「わいせつ行為」に関する追試的研究-」 京都教育大学紀要, 120/1-10,2012.03、に発表したように、教員による法的意味での「わいせつ」行為の発生率は、社会的な水準と比べて、2000年はじめの10年間で見る限り、およそ5割高いことが明らかである。
その背景には、①対象となる児童生徒との距離が近く、また生徒から近づいてくることもあり、②業務遂行が個人的(個業的)であり、③関わる時間的な限定も必ずしもなされておらず、④教育課程に含まれてはいないが学校の大きな柱である部活を担っているなど、(日本の)学校ならではの特性があると思われる。
よって、静岡県の教育長の「万策尽きた」という発言のように、この問題に打てる有効な手はほとんどない。だからこそ、「意識改革」としか叫びようがないのだろう。管理者としての教育委員会には、気の毒な話ではある。
かくも、学校の危機管理は、不審者対策や登下校の安全確保に留まらない。学校そのものの組織特性を踏まえて行われるべきこと、その意味で教育活動とは、けっこう危ない仕事だという社会的な了解が重要である。たとえば、「採用の段階で見分けられないのがいけない」などと、無理なことを言ってはいけない。
また、教職員においては、堂々と教育に携わるのではなく、こわごわと、迷いながら仕事をすることが実は大切、ということを確認すべきではないだろうか。