過日のつくば市近辺の竜巻を受けて、益子町教育委員会は、割れたガラスで怪我をすることから窓から速やかに離れることや、姿勢を低くして竜巻に巻き上げられない体勢を取ることなどを盛り込んだ避難訓練を、学校で実施するという(NHK、2012.5.12)。
なんかなあ。こうしたニュースを聞くたびに、学校って「何でも屋」にさせられてるなあ、って感じる。子どもが集まるのがほとんど学校しかないから、学校でやろうと声が上がるのは当然かもしれないが、そこには、学校の資源や力量の程度がほとんど考慮されていないし、さらには、人間のできること、できないことの区分についても慎重な姿勢が見られない。
つまり、前者では、「教職員の業務とは何か」が踏まえられずに、「まあ、できるやろう」と学校に押しつけられ、後者では、地下シェルターでも用意しないと逃れることのできないような竜巻に、「何とかできるのでは」と精神論が跋扈しがちである。いずれも、「やったことにしておこう」という余地が用意されており、「できることはちゃんとやる、できないことは諦める」いう見極めがうかがえない。ルーズである。
綱に繋がれていたのに、小屋ごと吹き飛ばされたワンくんがいたほどの威力を持つ竜巻に、どんな避難訓練ができるというのか。本当に避難するんやっていうのなら、まず地下シェルターの設置を義務づけて。これは条件整備であって、訓練とはちがう。そして、学校でというよりも、まず地域社会で、地下に逃げ込む訓練を。
避難する先がないのに、避難する訓練なんて…。なんという荒っぽい話やろ。