そういえば、こういう言い方があるんだなあ。「飛ばされてしまった先生/飛ばされてやってきた先生」。
「教育は人なり」だから、どんな教職員、とくに教員がやってくるかは一大事。関心のない訳がない。
でもこれって、定期的に人が動く仕組みだからこそなおさら、のこと。日本の年度あたりの学校間移動はおよそ15%、平均すれば6分の1くらいの職員が毎年、入れ替わる規模。新聞の特集ページも組まれるし、いわば国民行事だ。
これに対してドイツの場合、退職・離職でなければ、こうしたことは基本的に起こらないから、多くの教員は生涯で1つの学校、せいぜい2つくらいまでの勤務だ。この夏に退職する友人も、30年あまりを同じ学校で過ごした。
こうなると、「いい」先生になってもらうように、その学校で努力をしなければならなくなる。ところが、定期的に動くとなると、「飛ばされてほしい」先生と「飛んできてほしくない」先生が現れることになる。
ドイツでそうした努力がなされているかどうかはともかく、日本では、この人事異動が職能開発の大きな契機とされているため、「ウチで引き受けるんや」って覚悟が弱いかもしれないなあ。何しろ、学校管理職が教職員より早く異動してしまうことがほとんどだから。
できれば、「飛ばしたい」うんぬんと「当たり外れ」ではなく、「いい」先生たちになれるようなサポートについて話をしてもらえればと思う。