NHK,朝のニュースでは、大学生による受験講座のネット無料配信を取り上げる。
大学生が高校生向けに、受験勉強を応援する授業、なんと動画1500講座を用意して、いつでもどこでも見ることができるサイトを立ち上げているのだ。質問をすれば直に丁寧な回答も帰ってくるというサービス付きで、月に1万人が利用するという。
無料なので家計には有り難く、また先輩格の大学生が教えてくれるので親しみも湧き、繰り返し何度でも見ることができる。こうした点もさることながら、大事なのは、サイトを運営する大学生が、「定期テストで92点とりました、と連絡があった」と喜ばれていることを感じ、自分たちのサイトが認められていると知れるという、お互いが喜べる環境だろう。
受験勉強は自分の意志でするもの、これに対して義務教育は嫌でもやらなければならないもの-そうなのかもしれないけれど、多くの教室で児童・生徒が授業を喜ばず、喜んでいないことを目の当たりにして教員も嬉しくないという互いの「不幸」を、少しでも減らせないだろうか。
そのための「意欲を引き出す授業」なんです、ということなのだけど、何か違う気がする。意欲を引き出すというと既に子どもに宿っているかのようだけれど、そうではなくて、彼らに何か解決しなければならない「問題」を投げかけ、それが解決されない居心地の悪さ、落ちつかなさを持たせることで、「意欲」が生まれるという捉え方が大切ではないだろうか。「このままじゃ、まずい、いやだ」という感覚を、小さくても持つことができれば、学ぶという方向に進むように思うのだけれど。