「カッとなり足出た」ベテラン教諭、女子生徒に
名古屋の高校の男性教諭(58)が授業中、2年の女子生徒を蹴るなど、暴力をふるい、その後、依願退職していたことがわかった。
同校によると、教諭は先月22日、指示に従わず、席を立とうとした女子生徒の頭を手で押さえたり、腹部を数回軽く蹴ったりしたという。女子生徒は同31日、県警に被害届を提出。暴行容疑で調べている。男性教諭は指導歴約30年のベテランで、「ついカッとなり、足が出てしまった」と説明しているという。同校長は「再発防止に努める」とコメントしている。(2012年6月3日、 読売新聞)
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これが教育労働の大きな特徴と思わされる。いかにベテランであっても、こうしたことが起こってしまうのだから。
この生徒と関係がすこぶる良ければ、また事態の展開も違っていたかもしれない(腹部を蹴っているから無理かもしれないが)、相手が被害届けを出すほどになったというのは、もう教育関係はおろか、人間関係も成り立っていなかったのだろう。残念だ。
セルフ・マネジメントと言えばおしまいだけれど、いかにこれが難しいか。事前につもりをすることも、事態に面して熟考することもかなわず、教職という労働の特性だと思う。
教育実践という言葉は、何かをすることを想起させがちだが、敢えて何もしないという態度を重んじるような言説も、もっと飛び交わなければいけないんだろうな。