福島第一原発による政府の避難指示が、場当たり的で混乱させたと、事故調査委員会。
まあ、あの状況ではやむを得なかったかもしれん。その上で、「やらんでいいことをやる」ト「やらなあかんことをやらない」の判断ミスが多かっただろうことも、教訓にしなければならない。
権限を持つ者が、重要な判断を、いわば"するっと"やってしまうこと、その結果、権限に伴う責任を負えない(辞めておしまい)ということ、こうした場当たり的な対応を、少しでも避けるための発想と方略は?
リーダーシップ論は、まま個人の資質や能力として捉えられ、そのための選抜や研修が大切と考えられるが、実際のリーダーシップは、即断即決にせよ熟考にせよ、一人で発揮できるものではない。即断が求められるからこそ、信頼に値する自分とは異なる意見を聴けること、熟考を要するからこそ、閉塞的な思考に陥らないように、議論を組織すること、こうした集団のダイナミズムの結果として、生み出されるものと捉える観点が重要だろう。
この意味で、リーダーシップは、固定的、確定的なものではなく、流動的、生成的なものになる。