「苦情を受け付けません」と示して批判を浴びたスカイマーク。社長の真意を聞く、という記事を読んだ(日経、2012.6.10)
「ヘビークレーマー」と呼ばれる客を作らないために、まずできること、できないことをはっきりと示すことが必要と考えた、と社長。また、社員には「当社とお客様の関係は対等」と教えている、とも。お金をいただく一方で、われわれは輸送を提供するのだ、と。
この点で学校はやっかいなシロモノだ。学校は公共事業の一つとして、国民から集めた税金で、教育という財を提供する。児童生徒は、提供される財に価値付与をされる、いわば商品である。
ところが子どもたちやその保護者は必ずしも(というか、ほとんどは)そのように思っていない。自分たちは学校で授業、休み時間、給食、保健室と面倒を見てもらうお客なのだと。
商品と位置づけるように設計されている学校と、そうは思わない子どもと保護者の相性がはじめから良くないのは当然である。学校側にたてば、少なくとも最初の9年間は義務教育、つまり、国民国家が保護者に課した義務を履行する場であることが確認されなければならない。
もっとも、そのように考えてくれる基盤はなかなか見つかりそうにない。学校関係者のしんどさは、創意工夫ではおよそ乗り越えられない点に根ざしていると見るべきだろう。