work-engagement オランダの研究者らが提唱した概念で、「仕事にやりがいを感じ、熱心に取り組み、仕事から活力を得て生き生きしている状態」、この実現が究極のメンタルヘルス対策だという(「職場とうつ ㊦」、日経、20120626)。
この発想は、「心の病」の予防や事後対応、といったことに留まらず、個人の健康と職場の活発さを両立させることのできる見方につながると思う。
ところが、学校の昨今は、説明責任や情報公開、評価が求められ、「何をしでかすかわからない」と不信と不満の眼差しに晒されてもいる。これを反転させて、「こんなおもしろいこと、楽しいこと、大切なことをしているんです。ぜひ知って下さい、聞いてください」と発信するためには、教職員が自負や誇り、プライドを持ち、いわば顔を上げて仕事ができるようにまず自身が、そして教育委員会ほか周りが支援していくことが必須だろう。
過剰な自信は困りものでもあるが、事態をあまりに自分たちに帰属させて、「学力が上がらないのは自分たちのせい」「授業秩序が保てないのは自分のせい」と考えないように、メタ的な認識を強めることが大切。
基本的に「優秀な」人材がそろっているのが学校です。そのことに自信をもって、その自信にふさわしい、いい仕事を大いにしましょう。自分たちで自分たちを育てられるように、職場の雰囲気をより良くして、行きたくなる、だからやり甲斐のある学校を作っていきましょう。
子どもを育てようとすることと同じように、自分たちを優しく、厳しく育んでいくこと、それが自律的な専門性でもあるのです。