大学に中国、上海からの学生と教員のご一行あり。
「日本の学校制度」について、1時間半ほど講義および質疑に応答をする。本学に留学している中国人学生による通訳を挟んでだが、せっかくの機会、こちらからもたくさん質問をして、知ることが多くあった。
中国の学生たちによると、中国は学歴社会で、大学受験は「地獄」のように勉強をして向かうのだという。このため、生徒は勉強以外のことがほとんどできない、のだそう。日本の大学入試の方式に多く質問が出されたのは、このためかな。
また、中国では塾が盛んで、多くの子どもが通うとのこと。その分お金も要する。大学進学熱も高く、上海では70%にも上るという。その一方で、進学率が10%程度の地域もあるのだそうだ。
このほか、ベビーブームで小学生はいま増えていること、学校では授業料と教科書は無償だが、その他の費用は私費負担なこと、学校教育行政が重層的構造であること、など。日本の学校教育のこれまでと現在の仕組みや実態に近いことをいくつも聞けた。「へえ、似てるんですね」と思わず呟くほどに。
東アジアの国どうし、古くは中国から輸入した発想も多いのだろう。外交問題などで穏やかならぬ両国関係だけれど、実際に話することで親近感も湧く。こうした小さな経験が大切とも思わされた。