映画、「トガニ-幼き瞳の告発-」を観る。
韓国で実際にあった話をもとにした作品。ある田舎町の聴覚障碍者の学校に赴任した主人公は、やがて校長はじめ教師らによる生徒に対する暴行さらには性的虐待が行われていることを知る。人権擁護団体の支援のもと、関係者は逮捕されるものの、検事が買収されるほどの司法の状況にあって、いずれも執行猶予付の判決。話はさらに展開する…。
予告編は、http://www.youtube.com/watch?v=urBji64pxzs
李大統領がこの映画を見て、国民にアピール。事件の再調査、法改正までなされたという。
圧倒的な弱者に対する、しかも寄宿舎生活のもとで隠蔽される犯罪、これに立ち向かおうとするが、職を失い、病弱な娘を抱える主人公の葛藤、さらに、現在進行中の話ゆえハッピーエンドで閉められないこと、いくつもの点で印象的だ。
翻訳を担当した蓮池薫さんのメッセージも響く。「処世のためには自らを変えるしかない不条理な社会に変わらぬ良心の力で立ち向かう若者たち、その純粋で果敢な姿に未来への一筋の希望を見た」
大学教員は、かなり好きなことを言わせてもらっていると思うが、それでもかつての指導教員に媚び、学会で平身低頭し、さらに「若い世代」に傲慢なことはないだろうか。自分に問いたいと思う。