大津市の教育長が大学生によって襲撃、頭の骨を折るほどの怪我を負った。
この大学生は、中学生「いじめ自殺」事件への教育長の対応に怒りを見せ、殺意すら示しているそうだが、これに対する教育委員会関係者からの「暴力はいけない」という声に、「ハンマーで襲ったのは(中学校でのいじめをじゃれあいといった立場からすれば)いじめではない」と、油に火を注ぐ結果にもなっている。
さもありなん。今や教育長や教育委員会がいじめの対象に。つまり、中学校でのいじめ問題に適切に対応できなかったという点を、新しい「正義」が許さないといういじめ、が起こっている。
「正義」を振りかざす限り、誰かにとって「いじめ」が起こる。振りかざしている方は制裁をしているつもりだから、良心の呵責は少ない。「いじめられる人の気持ちになって」といった働きかけが意味をなさないのは明瞭だろう。学校でいじめが多発しているとするならば、それは学校がそれほどに「正しい」を強調することに所以するのかもしれない。