明治の学制スタートと同時に始まったというほどの、歴史の長い小学校を訪問した。
通された校長室には、歴代校長の写真がずらり、もう40代近くになるんですね。そのほとんどは男性、女性の写真が登場するのはごく近年のこと。初代からしばらくは、立派なカイゼル髭(伸ばした口ひげを固めて、”へ”の逆にしたもの)姿の校長も見える。蝶ネクタイも特徴的だなあ。いつから背広が標準になったのかしらん。
それにしても、昔から校長が数年で学校を替わっていたという点は不変のようだ。だから、今が何代目の校長かで、創立何年くらいの学校かがわかる。1998年の中央教育審議会答申「今後の地方教育行政の在り方について」では、校長の同一校勤務年数の長期化が謳われたが、15年近く経とうとする今に至っても、実現の兆しはほとんど見られない。笛吹けど踊らず、である。政策的理念とは別の力学が、強く働いているのだろう。
ところで、ずいぶん以前に全国紙に載った子どものことば。
「校長室ってこわいところだよ」「どうして」「だって、死んだ人がたくさん、こっち見てるんだもん」。