学校教育行政は頑張ってきた
大学院の授業で、教員一人あたりの児童・生徒数に言及。子ども数が大きく減っている中、教員数は現状維持、あるいは増えてすらいる点で、文部科学省や都道府県あるいは市町村の教育委員会は、人的資源に大きな関心を払ってきたと見なせると話した。
もうちょっとしっかり知っておかなければと、政府の統計窓口から、小学校について戦後の児童数の2つのピーク、1958年と1981年、そして現在を比べてみた。 1958年の児童数は1349万2087人、教員数は36万4004人、 1981年の児童数は1192万4653人、教員数は47万3965人、 そして2012年の児童数は676万4638人、教員数は41万8681人である。 常勤講師、非常勤講師は含まれていないので、おおよその理解ということになるが、教員一人あたりの児童数は、それぞれ37.07人、25.16人、16.16人となり、この50数年間で見れば、43.6%つまり半分以下の規模にまで小さくなっていることがわかる。 仮に、1958年の水準で学級編成その他、教員配置が継続されていたとすると、2012年現在に必要となる教員は676万余/37.07=18万2483人となり、今と比べると23万6千人もの「余剰」になる。もし、この通りだと、何と現在の半分以上の教員は要らなくなるのだ。 同じように1981年の水準で政策・行政が推移したと仮定すると、今日必要な教員数は26万8865人となり、現在より14万9820人くらい少なくなる。 23万6千人、あるいは15万弱という規模は、公立学校のみの教員採用者数、およそ23400人(2012年度)の6年分や10年分に相当する。それだけの人々に毎月の給料を支払っているということを考えれば、その財政規模の大きさに圧倒されないだろうか。これだけの人々を教職に迎えることで、失業対策にもなっているのだ。 もちろん、為政者の思惑、行政関係者の設計、あるいは教員組合や関係団体の要求など、いろいろな要素が絡まった結果ではあるけれど、「無い袖は振れぬ」から見れば、公的な財政支出が認められてきたという正統化があったからこそ。求めたら認められたという単純なものではない。他の行政部局との折衝も不可欠だったはずだ。 こうした貴重な公共財として学校も運営されているということ、当たり前のことだけれど、改めて確認したいなと思った次第。教職員のみなさん、とくに教員の方々、子ども一人当たりのコストはざくっと見て、2倍になっているのですよ。だから、効果的・効率的な働き方を、重ねて追求してくださいね。
by walk41
| 2012-10-08 12:21
| 学校教育のあれこれ
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