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学校・教職員の現在と近未来 Gegenwart und nähere Zukunft der Schule und ihrer Mitglieder

講師も影響を受けた

学校経営をテーマに、教員研修に出かけた。

開始時刻の5分くらい前に講師席に着席して待つ。20人と聞いていた受講者数だが、3~4人がまだ来ていない。「これはちょっと…」と思ってから、奇妙なことが観察されはじめた。

1.定刻になったのに、受付ほか、研修の企画・実施者が始める気配を見せない。受講者が来るのを待っているのだ。すでに着席している受講者にも、「どうして始まらないのか」という違和感は見られない。

2.小さなデモンストレーションのつもりで講師は立ち上がるが、進行役の指導主事が、ちょっと待って下さいと講師を制止する。

3.数分後、あと2人の出席予定者を残して、進行役が開始の旨、口を開く。この状況に対する注意、ましてや叱責などはまったくない。

…という状態のあとに講師が登場(会場には、とうにいるのだが)。言わずに済まそうとも思ったけれど、開口一番、言ってしまった。

「初めてお会いするのに、いきなり辛口で申し訳ないのですけれど、定刻になったのに始まらなかったことに驚かされました。時間はわかっているのですから、逆算して学校を出るように考えますよね。これもマネジメントの一つと言えるでしょうが、いかがでしょうか」と。

お察しの通り、その後は、緊張した、もっと言えば否定的な雰囲気の時間がけっこう長く流れた。3時間近く後の研修の終わり頃には、多少なりとも相好が崩れたとは思うけれど。

8割の受講者は定刻にいたのだから、「どうしてそんなことを言われなければならないのか…」の気持ちだっただろう。また、遅れた受講者の学校で突発的なことが起きたのかもしれない。その上でなお、講師から見る限り、受講者も企画・実施者も、研修への緊張感を欠く様子に、また、慌てる様子もなく悠然と会場に入ってくる受講者に、さらに彼らを急かしたり講師に説明をする訳でもない企画・実施者に、いたくがっかりしたのだ。

かくして、講師も研修環境に大きく影響を受けるという実験結果を、自分を例によく理解できた。同じような資料を準備し、同じような内容を話しても、講師と受講者との関係がその場の雰囲気、ひいては満足感や充足感を大きく規定するということを。また、その雰囲気を受けて、講師が自分の話す内容を左右されるということを。

この事実のスタート点はどこだろうか。またそれはいかにコントロールやマネジメントできることなのだろうか。
by walk41 | 2012-11-27 23:38 | 身体 | Comments(0)
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榊原禎宏のブログ(Yoshihiro Sakakibara Blog) 教育学の一分野、学校とその経営について考えます(um die Schule und ihre Verwaltung und Management)