学校・教職員の現在と近未来-榊原禎宏のブログ

「4点セット」とは言い過ぎか

生徒が自殺したきっかけとされる部活での暴行は、大阪市立桜宮高校の40代男性、保健体育科教諭、生徒指導部長が加害者である。

また、昨年報じられた、神戸市立六甲アイランド高校における野球部での体罰事件は、同部顧問の40代男性、保健体育科教諭、生徒指導部長によるものであった(毎日新聞 2012年12月14日大阪朝刊)。

そして、この度明らかになった、愛知県立豊川工業高校における陸上部での暴行事件は、50歳の男性教諭、保健体育科を担当し、現在も同校の生徒指導部長である(朝日新聞、2013.1.28)。

これらの事例で言えば、①男性、②40~50歳といういわゆるベテラン教諭、③保健体育科教諭、④生徒指導部長、がいずれも当てはまることになる。これらの条件による説明力は高くないだろうか。

体罰、暴行との関係をうかがえば、たとえば、①男性か女性かというセクシャリティあるいはジェンダーの問題、②ベテランゆえに、回りからは指摘しにくいという年齢を軸にした人間関係、③保健体育科教員に特有の「文化」が存在する可能性、④生徒指導部長の学校での位置づけ、などが考えられる。

対象は中学校であったが、すでに、榊原禎宏・浅田昇平・松村千鶴「教科から見た校長職の登用・配置に関する実証的研究-京都府下の公立中学校を事例にして」『京都教育大学紀要』114号, 2009年、において、保健体育科教諭が教員全体に占める比率は12%程度に対して、校長となっている者は実に25%、つまり期待値のおよそ2倍の出現率であることを明らかにしている。校長昇任に至る一つの背景として、生徒指導で評価されたことがあり得ると当時述べたが、今回の一連の事件はこの結果と符号するのではないだろうか。

部活動をより多面的に捉えるには、当該学校における生徒指導の位置づけ、校務分掌として担当する教員に求められる属性などと関わらせた、学校経営研究が必要になる。

ちなみに、教員養成論という立場からは、保健体育科の教員が「大学において」どのように教育されたかを追うことで分かることがあると考えるのだろうか。私見では、それは大学の風土、授業担当者の思惟、大学での部活動経験、大会記録等を考慮した教員採用人事(京都府でも「スペシャリスト特別選考」という教員免許状を持たない人を対象にした採用枠がある)などと関わっており、大学のカリキュラムにおいて操作できる余地はほとんど見出せない。変えることが難しいことを取り上げて「~すべきだ」といっても(「そこを何とかするのがプロというものでしょう」だろうか)、「蛙の面に水」や自己満足に過ぎないだろう。これは、学校評価論に当てはまることでもあるけれど。
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by walk41 | 2013-01-28 10:29 | 学校教育のあれこれ | Comments(0)
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教育学の一分野、学校とその経営について考えます。
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