部活動はかくも教育的
京都市教委、小中高体罰19件 訓告2件 昨年4月から
京都市教育委員会は6日、文部科学省の体罰緊急調査で、昨年4月から今年1月にかけて小中高校で把握した19件を同省に報告した。生徒の太ももを膝蹴りして2週間のけがを負わせた花山中の事案のほか、生徒を注意する際に平手打ちしたなどの内容。 小学校3件、中学校14件、高校2件で、そのうち、小学校で児童を注意する際に足を上げ、児童の手に当たるなどした事案と、中学で生徒を足払いして転倒させた事案の計2件で教員を訓告処分としている。花山中の事案は処分を検討中。けがは同中のほかに4件あり、平手打ちされて頰がはれたり、かすり傷を負ったという。 体罰を行った時間帯は部活動中が最多の9件で、「ミスを繰り返した」「練習態度が悪かった」「危険なプレーをした」といった理由で平手打ちをしたなどだった。 市教委は同日の市議会予算特別委員会で「体罰に頼らず、自信を持って指導できる教員を育成するため、指導のスキルを上げる研修を進める」などと再発防止策を説明した。(京都新聞、20130307、一部改変) ------------ ある事実が起こる。その対応には、論理的に二つの段階が必要だ。まず、どのような事実なのかを確かめる、そして、なぜそのような事実が起こったのかを考える。 「態度が悪い」-これはどんな事実だろうか。自分にそのように映ったということは、受け止める自分の問題でもあるのではないか。「自分を笑ったように見えた」と生徒を殴った教員もいたが、事実として取り上げるほどでもないのでは、とも考えてみるべきだろう。 「ミスを繰り返す」-これはなぜそうなるのだろうか。自分の指示が悪いのか、生徒の体調がすぐれないのか、天気や気温のせいなのか、を考える必要があるだろう。 こうした論理的な手続きを経なければならないのに、それを飛ばして「①自分が見た、感じたのだからその事実は存在する。②それは相手が「望ましい」状態になっていないためであり、それを自分の物理的有形力の行使によって変えることができる」と早合点すると、「体罰」問題になるというわけだ。 つまり、こうした事案は、①事実をいかに認識するかに慎重でなければならないにもかかわらず、思い込みで決めつける点で「学力」が低い、②ある事実がどのように構成されているかを吟味せず、他者に理由を求める一方、自分がそれを変えうるという「無理」をいともかんたんに突破する論理(その人に事実が起因しているのなら、その人が自ら変えなければ仕方がないと考える方が素直だろう)を描きがち、なために生じると考えられる。 これらを抑制するには、①自分が見ているものは本当か、と懐疑的な態度を身につけること、②ものの見方、考え方を構成する論理的トレーニングを積むこと、ではないだろうか。直截的に「教育者の力量次第」なんて言うことのないように。
by walk41
| 2013-03-11 06:49
| 学校教育のあれこれ
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