NHK「東日本大震災二周年追悼式式典」を見た。冒頭に「君が代」を歌ったことに、こんなときにも歌うのかと知ったが、歌う1200人の参加者に対して、壇上に立つ天皇皇后が口を開けず、歌わなかったことにも驚かされた。天皇が歌ってこそ、「君が代は千代に八千代に」が、「みんなの幸せがずっと続きますように」の意味になるはずなのに。
「天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であって、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く」(憲法、第一条)とあるように、国の象徴であって、国民の象徴ではないから、歌を歌う訳にはいかないのかしら。天皇をはじめ皇族は、選挙権も与えられていないし、そもそも国民に数えられてもいないしね。
皇室費は200億円程度、たいしたことはない、という意見もあるが、そのために、天皇関係者として生まれてきた人の人権を脇に置いて良いのだろうか。外交上有利という論理も同じ。政治家や外交官なら、そういう役割であることを了解しているけれど、ある家に生まれたからその役目を果たせって、ひどくない?
ご本人ほか関係者の気持ちはわからないけれど、気の毒なことだと思う。人間として生まれたのに、そのように生きられないとは。こんな仕組みを維持しつつ、人権が大切なんて、矛盾していないだろうか。