せっかくの学習機会なのに
NHK,朝のニュースでは、大津市内の中学校における「いじめ対策」の様子を伝える。
下駄箱を一足ずつチェック、変な汚れが見られないか、変なものが入れられていないか。授業中や休み時間も、ほうきとちりとりをもって掃除のふりをしながら、生徒たちの様子を観察、合間の時間や放課後などに教員間で情報交換、いじめに遭っている生徒はいないか、変なそぶりは見えないかとチェックするのだという。 これって、生徒たちが自分たちで問題解決していこうとするチャンスをまったく奪ってるよね。いじめを許さないという「正義」を振りかざしてもいいし、「いじめられる奴には理由がある」と主張させてもいい。物理的有形力を行使せず、言葉による暴力も極力控えて、冷静に、相手を尊重する態度や能力を培う機会を逃しているよね。 政治家が選挙民に向かって、「いじめをなくします」と宣言することはやむを得ない。けれど、「教育の専門家」を自負するのであれば、それは学校でどのように生徒に活躍させることなのか、また教員あるいは教職員はいかに関わることかと、うまく翻訳しなければならない。 「いじめ問題」は、「いじめ」という行為をする生徒がいることが初発であって、決して、天変地異ではない。地震の予知や減災という話ではまったくないのだから、そうしないような生徒に育てることが一番ではないか(もっとも、これまでの拙ブログをご覧くださっている方には言わずもがなだが、私個人は「いかなるいじめも許されない」という立場は取っていない。念のため)。 あるいは、誰でもいじめの加害者や被害者になりうるというのであれば、そうならないように何を知っておかなければ、あるいは何ができなければならないか、を学ぶこと、そうした「力」につながるような数学や英語の勉強ではないのか。 教科を教えることができるという免許状を有する職員が、教室の見回り専門なんて。言うべきは、教育委員会なのか、教職員組合なのか。教職や学校教育の自由、自治、自律性など、とうに放棄したような状態ですね。
by walk41
| 2013-05-07 14:27
| 学校教育のあれこれ
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Comments(4)
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式部
at 2013-05-08 08:10
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いじめの問題ですが早い段階で手を打った方が良いように思います。保育園の時からこの子は将来荒れるだろうなと行動から推察ができるからです。必要以上に自分の行動を見続けてくれるように言う子、お友達に乱暴な事をする子、職員や大人にべたべたしてくる子と早い段階からアピールをしています。保護者の子どもに対する外からは見えづらい精神的ネグレクトが関係しているように思います。出来れば早い段階から自己肯定感を高めるトレーニングを取り入れた楽しいプログラムがあればいいなと思っています。
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walk41 at 2013-05-08 08:58
式部さん、なるほど、そういう子どももいることでしょうね。と同時に、乱暴な子どもが「いじめ」る側にそのまま繋がるのでもないように感じるのですが、いかがでしょうか。甘えたい、見てほしい気持ちの表れと「いじめ」あるいは類する行動との関わりについても検討を要しますが、あわせて、「いじめ」という事象が世代や地域を越えて観察されることも認められるかな、と考えています。引き続き、意見を交わせれば幸いです。
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式部
at 2013-05-08 14:16
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確かに乱暴な事をする子の全てが問題でないのも理解しています。周りの子に対する手加減のほどを知らないだけでそれを教えれば理解できる子もたくさんいます、意外にそういう子の方が昔からいじめられている子を助けてくれる優しい子のようにも感じています。いじめという問題は世界的にみる 「いじめ=差別」ということのようにも感じています。それを考えてもなくなるものでもないでしょう、しかしまずは身近ないじめ問題を少なくすることの方が大切かとは思います。
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walk41 at 2013-05-08 17:39
「いじめ」の定義にもよりますが、社会的行動としての排除というものは、わかったような言い方をさせてもらうと、人間の経験にもとづく知恵という面も持っているように、私は考えているのです。NHKスペシャル「ヒューマン」(出版もされています)をご覧いただけば、この事象が古くから観察されること、その上で、いかに人間がつながりを紡いできたかが、わかるように思います。
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