ゼミに学生たちに話したことがきっかけだった。日常生活で使われる単位は一様ではないのではと。
念頭にあったのは、ドイツでの天気予防の際の風速の表現、彼の地では、風速を時速で表すのだ。25㎞/時間、という感じね。これに対して日本は、いわずもがな6㍍/秒、時速に換算すると21.6㎞になる。また、中国では「級」で表すそうで、0級は無風を意味し、5級くらいになると結構な強さらしい。ところ変わると言い方も変わっておもしろいなあ。
そこから話が(雑談的に)進んで、上位-下位と数値との対応関係の話になった。学業成績を示す5段階評価の場合、日本では「5」が一番よく、「1」が拙い、ドイツではこの反対だよと話してからふと気づいた。算盤や書道、剣道などを考えれば、「級」については数値の大きい方が下位で、小さい方が上位、つまり、1級の方が6級よりも上位だということ。これに対して、同じ習い事なのに、「段」については、逆になる、つまり、6段は2段より上位になる。あれっ、論理はしっかり逆転しているのに、私は違和感をこれまでまったく感じなかったなあ。
研究の種になるかどうかは、ちょっと心細いけれど、遊び心があってこその閃きや気づきが起こるということ、何事も楽しく考えようという話でした、はい。