学会発表を聴く。いずれも意欲的なテーマ、あるいは興味深いデータを知ることができた。
その中に、学校教職員の国際比較の発表があった。教員以外のどんな職種があるのか、それらがどのように関わっているのか、を追求しようというものである。
ともすれば、もっぱら教員をもって「学校の力」などと言ったりもするが、実際には、学校事務職、養護教諭、栄養/給食関係、防犯関係スタッフといろいろなメンバーから学校は成り立っている。まずは、この当たり前のことを、とりわけ多数派の教員は理解していなければならない。
もう一つは、とはいえ、学校の活動の柱である教育ー学習過程は、児童生徒の知的、情的、肉体的な「成長発達」を促そうとするものだから、基本的に分割が困難である。このことは、活動のゴールが不明確ということにも連なっている。たとえば、患者を救うこと、治すことがゴールとされる医療の場での「チーム」が想定することと、学校のそれとは大きく違うことが確認されなければならない。
学校でも「チーム」と叫ばれるが、実際を丁寧に観察したい。完成形を想定できない日常的な大きな領域と、ある程度の完成形を想定できる特別活動など非日常的な領域のあることが踏まえられた、「二足わらじ」の組織論が問われていると、私は考えているのだけれど。