夏休み、児童生徒は夏季休業だが、教職員とくに教員は研修で忙しいシーズンでもある。
そんな中、校内でも研修会が開かれると思うが、もし、近隣に学校があるならば、共同での実施をしてみてはどうだろうか。
というのは、ある中学校での研修会にうかがった際、近くの中学校と一緒に会を準備されており、普段の校内研修とはいささか異なった趣で進められた感があったからだ。
このことは、終わりに挨拶に立った、片方の学校長の言葉によく現れていると思った。その趣旨は、「普段ならは、喋る人がおおよそ決まっていて、他の人は勢い黙ることもあるのだけれど、今日は、別の中学校のみなさんと一緒にできて、話す人もその内容も、あるいは他の人たちもいつもとは違っていた。こういう機会を今後も活用していきたい」。
どうだろう。通常のメンバーの間だけなら、何となく共有されている文脈(context)を前提に話が進められがちだが、新鮮な面々と場をともにすることで、いつもの文脈が無力化される。このため、改めて説明したり、意見を述べたりする必要が生まれ、発言者が自身を問い直す機会になる、と捉えることができるだろう。つまり、外部の資源の活用は、内部を問い直す契機となるのだ。
他者を登場させることにより、会話が対話になる。発信者に気づきを与え、新しい発想そして行動を誘うためには、こうした異文化の存在が不可欠である。校内研修に限らないだろうが、まずはここから、各学校の活性化を試みてはどうだろうか。