「やらせ」授業を成立させる力量
Kojiさんからの拙文へのコメントを読んで、なるほどと思わされた。
教員が事前に「こういう風に頷くんだよ」とか「○○くん、ここで当てるから喋ってね」といった「やらせ」の授業、見世物の授業が成立するには、教員の学級経営の力量ともいうべき、児童・生徒とのラポールや、大げさには信頼関係がなければ難しいという指摘だ。 そういうことになると、研究授業などと見せているのは、授業の内容や方法に関わるというよりも、教員と児童生徒との人間関係がいかに上手く出来ているかであって、それは授業以前に(今のところは)成立していることを確認する作業ということになる。「こんなに私たち、いい感じでしょ」って。 だから、「学級崩壊」しているクラスで研究授業をするなどは、何よりも教員が嫌がるだろうから、難しいだろう。見てもらってもとりあえず安心というクラスでなければ、授業どころではないだろうから。 これを言い換えれば、人様に見せられるくらいの学級作りをしなさい、というメッセージを浸透させるツールとしての、研究授業ということにもなる。教育行政機関が学校に教育課程の方針を浸透させるために、指定研究を用いるのと、同様の構図だったのか。なるほどなあ、ならば、「研究授業」は教員評価の一つの道具として位置づけられているとも言えるね。 かくして、授業研究と謳いながら、授業の研究にはさっぱりならない。もっとも、①客観的に測定できる、②観察者効果を及ぼさない、③安定しており移ろいやすいものではない、といった研究の対象としてクリアしなければならない条件を、授業は基本的に欠くから、授業研究は元々できないのだけれど。
by walk41
| 2013-10-26 15:28
| 学校教育のあれこれ
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Comments(1)
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by
ポッピーママ
at 2013-10-28 04:26
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おっしゃることが、だんだんとはっきり理解できるようになってきました。で、言葉は違いますが、『学習指導の成否は学級経営が基盤となっている』ということをよく言います。じゃあ、学級経営って何ですか?と質問しても、具体的に答える人は誰もいない。学級経営の下位項目、要素って、具体的に何なのかも言えなくて、そういうことを語るって、おかしくないですか?教師の論理性に大きな問題があるのではないでしょうか。
ただ、学級児童生徒教師間の人間関係が良い意味でうまくいっていると、様々なことがスムーズに進むのは当然です。この当然を得るために、多大な労力を要します。そこが、一般のみなさんがわからないところです。ある程度の人間関係がないと、いろいろなことが理解されず浸透せず方向づけされず、学習活動が浅く貧しいものになってしまうのです。
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