学校・教職員の現在と近未来-榊原禎宏のブログ

「経営」らしくない学級経営

ポッピーママさんのコメントを読んで思わされた。「だから、教員は学級経営には懸命だけれど、学校経営は管理職の仕事、って考えがちなんやな」って。

授業の基盤は学級経営にある、と少なくない教員は口にするけれど、じゃあ、どうすることが学級経営なのかと問われると、ポッピーママさんが仰るように曖昧模糊である。規律やルールの徹底、受容的・共感的態度、仲間づくりと、いわゆる人間関係をつくる、ラポールを得るという辺りに落ち着くのだろうか。

そうだとすれば、そこで言われる経営がおよそ「経営」らしくないことは明らかだ。たいていは子どもたちの話し合いで書き出す「学級目標」が担任教員の学級経営方針とどう関わるのかわからない、一学期なり一学年なりが終わった時に、立てた目標はいかに実現できたのか、またどうしたら改善できるのか、と言った話にもならない、そもそも、どれほど実現できたかを測ることもままならない、という具合なのだから。

こうした特性があまねく学級で観察されるのならば、その経営とは皿回しのようなスリリングなやりとりということがわかるだろう。どの皿がどんな動きをしているのかを逐一見ながら、しかも「子どもたち」は独立しておらず、むしろ関わりを求められる点で影響しあっているから、偶然さもなおいっそうのもとである。

かくも制御が難しく、経験則も万能ではないシロモノを扱っているのが、とりわけ義務教育学校ならば、上手な「経営」とは臨機応変さとこれを支えるしなやかさ、囚われの少なさと導ける。「こうでなくてはいけない」と「教育的信念」を持ちすぎると、児童生徒のみならず、教員も不幸になるのである。誤解を恐れず言うならば、いい加減さが要諦だ。

いい加減であるとは、大いに笑えることでもある。そうも捉えられるなあ、そう考えるのも面白い、と応えられる人は、柔軟で拘りが少ない。笑いの効用はここにもある。けれど、歳を重ねるほどに、身体が固くなるのと軌を一にして精神も固くなっていくのか、なかなか大変なのよ、管理職の研修で笑ってもらうのは。普段からよく笑いましょうね、いい仕事をするためにも。
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by walk41 | 2013-10-28 08:47 | 学校教育のあれこれ | Comments(0)
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教育学の一分野、学校とその経営について考えます。
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