学校・教職員の現在と近未来-榊原禎宏のブログ

学校は言語の世界

「ネットしすぎ 学力に影響」(読売新聞、20131226)、小学校6年生と中学校3年生の全国学力テストの結果分析を紹介している。

「算数・数学とも、インターネットやテレビゲームをする時間が長くなるほど低く、新聞やテレビのニュースを見る時間が高くなる傾向が浮かんだ」とする一方、後段では「テレビやインターネットでニュースを見る頻度と平均正答率との関係は」よく見る子が好成績と記しており、この記事担当者の論理力の弱さをうかがわせる。集合論のイロハを踏まえてへんやん。

それはともかく、本をたくさん読む子の成績は良好、学校の復習を全くしていない子の成績は低い、授業で様々な考えを引き出す質問や発言や活動の時間を確保した授業であるほど正答率が高い、と文章が並ぶものの、これらはどれほど論理的な話だろう。ほとんど同義反復(tautology)ではないか。雨傘を差している人が多いから、今日は雨って言って良い、という感じのね。

学校では、述べなさい、書きなさいと、読む書く、話す聞くことがあまねく問われる。これは、文脈に依存しない人間関係と、言語化によって了解できるという前提を置くものである。つまり、「言わな、わからんか」という批判を排除し、「書いてある通りや」というゴリ押しをする世界なのだ。

こんな世界に浸りすぎると、「言わなくても、わかる」、そして「文字通りに取ってはいけない」という、人間関係上の大切なことを等閑視し、「事物や感情は言葉で表現できる」、「言ったこと、書いてあることが同じならば、同じ内容を指す」という、偏ったものの見方を獲得させることになる。

言わずもがな、世界はこれ以外にも多く存在する。感じること、沈黙すること、口以外で表現すること…。これらがむしろ「人間らしい」と思うのは私だけだろうか。高学力が大事という人は、子どもたちがどんな人間になることを期待しているのだろうか。
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by walk41 | 2013-12-26 11:36 | 学校教育のあれこれ | Comments(2)
Commented at 2013-12-26 23:28 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented at 2013-12-27 11:17
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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教育学の一分野、学校とその経営について考えます。
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