学校・教職員の現在と近未来-榊原禎宏のブログ

3本目の論文に臨むべき?

文部科学省「平成24年度公立学校教職員の人事行政状況調査について」がこの12月に公表されたが、ここに含まれる「わいせつ行為等に係わる懲戒処分等の状況」には、同事由で懲戒処分を受けた教育職員が186名(男性184名、女性2名)に上ること、また在職者数に対する比率で見れば、小学校が0.01%であるのに対して、中学校では0.03%、高校では0.04%と中等教育段階でより高いことなどが明らかである。

これまで、何度か宣伝した論文、榊原禎宏・森脇正博「教員は健康に働けているか-教員による『わいせつ行為』に関する追試的研究」 『京都教育大学紀要』120, 2012, および、榊原禎宏「教員の精神的健康への一視角-教員による『わいせつ行為』は多いか-」『 京都教育大学紀要』116,2010、では、教員による触法的意味での「わいせつ行為」の発生水準が、決して低いとは言えないことを実証してきた。

昨年末の公表結果が、この約10年間を下回っておらず、むしろ上回るほどの数値なことから、拙論文での結論は覆されるに至らず、むしろより実証性を高めている可能性が考えられるほどである。また、小学校よりも中学校において発生水準が高いことも、先の2012年の論文で述べた通りの結果となっている。

この研究の先が未だ見えず、ここしばらく保留状態になっているが、先の結果を受けて、3本目の論文に臨むべきかなと思うようになっている。ただし、対象は明確なものの、方法はこれから詰めなければならないけれど。

教員だからこうした問題が決して起こってはならない、とまで言うかどうかはともかくも、世の中の水準を上回ること事態を首肯できないこともまた確かだろう。何より本人にとって不幸であろうし、教職業界の人気にも関わる。より少ない方が望ましいとは言えるだろう。

昨年だったか、この問題への対応について万策尽きたと公言した、ある県の教育長の気持ちを代弁するならば、どうしてよいかわからないのが、人事担当者の多くの気持ちではないだろうか。というのは、その背景や原因が特定できず、また仮に特定できたとしても、学校で働くという環境上、どれほど抑止できるかどうかの見極めもなかなかできないからだ。

ケースバイケースなのは、学校に関わる議論の常ではあるけれど、それでもなお、今一度丁寧に考えてみたい。数千人に一人の発生という水準の問題をどれほど扱うことができるのかどうか、という点を含めて。



[PR]
by walk41 | 2014-01-19 23:11 | 研究のこと | Comments(0)
<< 自分に気づく 開かない/開けない >>



教育学の一分野、学校とその経営について考えます。
カテゴリ
以前の記事
フォロー中のブログ
最新のコメント
メモ帳
ライフログ
検索
タグ
その他のジャンル
ブログパーツ
最新の記事
「させていただく」
at 2017-11-23 16:09
「国立」に地域ニーズ?
at 2017-11-22 09:14
紅葉に心洗われます
at 2017-11-20 13:03
「~以外は不可」
at 2017-11-16 22:43
そんな構図ではない
at 2017-11-14 09:52
求めている次元が違う
at 2017-11-12 18:36
ゴアー
at 2017-11-11 19:45
パラ・シアター
at 2017-11-10 19:10
宣伝です
at 2017-11-09 20:30
卒業論文中間発表会
at 2017-11-08 07:57
外部リンク
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧