特別支援学校にお邪魔した。教育実習で学生がお世話になっているので、お礼を兼ねての訪問だ。
図らずも、学校案内をしてくださり、お忙しい中、申し訳なくも大変嬉しく頂戴する。気がつけば二時間以上も見学させてもらっていた。
高等部まである大きな学校で、教職員のみなさんが忙しく動いておられる様子を見せてもらう。作業活動の時間は、2月に迫っているひな祭りに合わせて販売する作品づくり、生徒それぞれが役割を担っている。縫い子、木工、陶芸と、作品に仕上げるべく、スタッフが打ち合わせ、準備、時間中の分担と、否が応でも協力的にならざるを得ない。
小学部では、十数人の子どもと十人ほどのスタッフが歌って、動いてと元気いっぱいだった。進行役、BGM担当、ある子どものフォローと、分業そして協業して臨まなけれならないのは、明らかだ。
学校において個業性が高いというのは、多数の児童生徒が在学する「普通」教育におおよそ当てはまることではある。ただし、こうした学校を見せてもらうと、一つの形、完成といったものが目指されれば、分業ー協業されやすくなる(そうしなければ事が進まない)ことがよくわかる。多くの学校でも、学校行事では、同様の傾向を見せることからも、この点は説明できるだろう。
個業性が優位しがちな学校で、スタッフ間の不干渉や無関心が跋扈しないように努めるには、時々であっても「共同作品」に臨む機会をより設けることだろう。それは必ずしも学校行事でなくても良い。それぞれの持つ「物語」を開陳し、交差させ、少しストーリーを更新させていくこと、その仕掛け人がミドルリーダーと呼ばれるスタッフや管理職ではないだろうか。