民放、ガイアの夜明け、にて外食チェーンの奮闘の様子を見る。
景気の回復に伴い一部では人手不足が深刻化、とくに居酒屋やレストランではアルバイトのなり手が少ないとのこと。そこで、会社としてどのような手を打って、人を集めるか、そして集まった人をいかに辞めさせないか、オペレーションが問われるゆえんだ。
アルバイト祝い金、髪型自由といった斬新なアイディアが紹介されたが、その中でもおもしろく思ったのは、居酒屋を経営する会社がIT関連、化粧品といった他の業種を含む企業に連絡をとって、その採用担当者を店に招くという試みだった。
彼らは客として来店、そこで働くアルバイトの様子を見ることで、書類審査や一次面接を略するという。この仕掛けは、アルバイトにとっては、より確実な就職につながるアルバイト先と感じさせ、採用担当者にとっても、より望ましい人材をここで確保できる、というアイディアである。協力や協働ではなく、違うからこそ意味のある連携の一つのケースとしても興味深い。
こうした様子を知るに、学校教育という業界はあまりに規模が大きすぎ、それゆえに官僚制が強く作動し、融通が効きにくく、またそれに馴化されたスタッフからのアイディアが乏しいという循環になっていると思わされる。全国的に、全県的にと、横並びが強調され、なぜかよくわからないけれど「そういうことになっている」と慣例が踏襲され、くわえて昨今は「安全」が第一義的とされてきたこともあって、新しい試みが奨励されにくいのだ(100%大丈夫な試みなど、あるはずがないにもかかわらず)。
片や、文部科学省や各教育委員会の方針のなさ、迷走ぶりを考えれば、これからどうしていけばよいのかが誰の手中にも妙案のない、フリーハンド状態なのは明らかだろう。ならば好機と、小さな試みをそれぞれの所で始めてみよう。「行政説明」を懸命に聴いてそれに合わせるような発想ではなく、どうしたいのか、どうすべきかのか、どうできるのか、と問い、深め、広げ、そして具体化できるような力量を持つこと、これこそが大人の「生きる力」と言うべきだろう。