大卒の価値を下げるな
雨の日の電車、荷物が多くて傘も持ってと両手が塞がってしまったので、珍しいことにiPadを広げることもなく、車窓を眺めていた。
途中から乗ってきた若人ふたり、一人は大学生のようだ。男の子が女の子に話している。「来年の後期は何にもないわ。卒論だって1ヶ月あったら書けるし。うちのゼミは指導もなし、ただ出したらええだけやから、楽勝やわ」って。関関同立と言われる大学の一つだそうだ。 あのね、いくらマンモス大学やからって、こんないい加減な大卒者を出すんじゃないよ。学歴主義に立てば、大卒は高卒と明確に区別されるの。だから、その違いにふさわしい努力と能力が伴ってなければ意味があらへん。 ウチでは事あるごとに学生に話す。「大いに苦しんで頑張ってや。大卒の価値を落とさないようにね」。もし彼の話の通りだとすれば、そんな輩と私のゼミ生とを「大卒」と一緒にしないてほしい。学生に求めるのは大学の責任である。 もちろん、ただ「やりなさい」では学生はおそらく一文字たりとも書けないだろう。論文とは何か、問いを立てるとはどういうことか、いかに実証するか、批判をどう予想するか、先行研究との向き合い方は、と一度ならず、どころか、何十回と話をして、ようやく伝わるかどうか、くらいの状況を過ごして、ぼんやりと卒論ができそうに感じられる。この過程で「てにをは」から始め、段落の構成、小見出し、実証の方法と、修正と書き直しのやりとりを何度か経るのは無論である。これに費やされる教員と学生の時間、労力は半端ではない。だからこそ、完成した時の喜びはひとしおである。これでこそ、大学卒業と名乗ってよい。 えっ、ゼミで指導するには学生が多すぎる? かもしれないね、そちらの大学は。だったらそんなに入学させないで、丁寧な指導ができる体勢をつくらなきゃ。だったら、儲からない? かもね。国立大学法人を少なからず上回るとも言われる教員の給与水準を下げてみたら? いろいろとできることもあるんとちゃうのん。
by walk41
| 2014-02-18 19:37
| 学校教育のあれこれ
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Comments(2)
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ポッピーママ
at 2014-02-18 20:18
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コメントありがとうございました。早く獣医さんのところに連れて行ってあげたいのですが、うちの市内の獣医さんは信頼できません。音更町の獣医さんのところでないと、何をされるやら心配ですから、来週か再来週、平日お休みを取って連れていきます。おっしゃる通り観察眼が鋭くないとダメですね。
観察眼つながりで言うと、同じ場面や同じ人達、学級を見ていても、見る人によっては同じように感じ取ったり判断したりしないという事実があり愕然とします。人はそれぞれ違うのだからそれでよし、ってな風には行かないのが我々の仕事です。あまりに感じすぎるのもどうかと思いますが、鈍感すぎるよりは敏感であるほうが必要でしょう。昨日今日と担任がインフルエンザで倒れた学級の面倒を見て、これを放置しておいたら、誰にとってもいいことないだろうと思いましたが、さて、それをどう伝えるのか、どうしたらよい方向に行くのか、年配者として考えてしまいます。やはり、人間の感情や内面をひも解いたり感じたりすることが得手でない人は、教師には向かないだろうなぁとも考えたりもしますね。
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walk41 at 2014-02-18 23:10
獣医さん絡みの話を一つだけ。拙宅のMaiに異変が起きた時、以前、我々が不在の際に親が連れて行ったというある獣医のところに、診療記録があるかもと尋ねましたが、とんでもないヤブ医者でした。入室したときに、その雑然さ、閑散とした様子に気づきましたが、加えていたずらでいい加減な検査(なんと、家人と獣医師夫人にレントゲン撮影をさせるほど。自分はそこから逃げ出して)、かなり高めの請求額と実にいい加減なことでした。二度目までは連れて行きましたが、こりゃあかんと、三度目、Maiは連れずに結果だけ聞きに行き、それでも要を得なかったので、別の獣医に診せるから撮影したレントゲン写真を借りたいと伝えたら、なぜか強い拒否、こちらも、こんな対応ぶり、京都府獣医師会に知らせますよ、と声を荒げたことです。良い獣医さんにかかることは必ずしも容易ではありませんが、飼い主の観察力と粘りで、ポッピーちゃんの治療に臨んでくださればと願います。インターネットも駆使して、できれば複数の意見を聞いて、判断することも大切かなと、自分の経験からは思います。
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