ある教育行政機関の会議に出る。
お決まりと言えばその通りなのだが、冒頭の部局長の挨拶がとても「暗い」。事務方の用意した文面を読み上げるのが大半だからなのだろうが、用紙に視線を落とした様子ばかりが映り、痛々しさすら感じる。
「文化」の違いと言えば何でもそうなるが、この点、ドイツの校長の挨拶は聴いていて清々しい。常に顔を聴衆に向けて、滑舌良く話をするのが、私の限られた経験での印象だ。さすが校長だなと思わされる。
話す中身の確かさよりも、その姿勢の確かさ、話し手の自信、相手への誠意、そうしたものが伝わるのは、顔をしっかりと上げて、まさに語りかける様子をもってだろう。
アメリカ合州国のオバマ大統領誕生の際にも注目されたが、相手を得心させる、納得させる話しぶりとは何か。内容以上に聞き手が感知していることがあるように思われるのだ。
会議の冒頭の挨拶、ぜひ参加者が積極的に議論しよう、新しいアイディアを出そうと思える起爆剤になってほしい。昔、どこかの投書に、自衛官が朝の体操絡みで「君が代」を聞くと気分が萎えると記していたと記憶しているが、これとは反対の、気持ちをかき立てるようなプレゼンテーションを。