数え上げれば、もう20回くらいドイツに行ったことがあるので、当たり前かもしれないが、多少はドイツ語もわかるようになった。訪れるところがおおよそ決まっていることもあって、言葉の文脈もなんとなく理解できるように思う。
それなりの回数を訪れる理由は、研究テーマもさることながら、そこに友人、知人がいるからに他ならない。もちろん、両者は分かちがたく、研究上のいろいろなサポートと繋がっている面もある。その上で、彼らと、さらにはそこから広がる知り合いとのお喋り、議論にとても刺激を受けるからこそ、途絶えることなく通っているのだと思う。
訪れるたびに、自分のドイツ語はまだまだやなあ、あかんなあ、と思わされ、次にはもう少しましなものを、と多少は励んで、また訪れる、のパターン。少しはマシなドイツ語になると嬉しくなって、もうちょっと頑張ろうと思える。この繰り返しである。
ようやく、普段言葉でもだいたいはわかり、やりとりもできるようになってくる。すると友人、知人はこちらの理解度にお構いなしに、ガンガンと話を進める。教員関係者が多いこともあってか、お喋りに退屈することはない。話が早い、長い。嬉しいことではあるけれど、こちらの頭は次第にパンク状態に近づく。うーん、なんとかついて行っている感じ。
どうにかやりくりしていても、ついには「ちょっと待ったあ」と言わざるを得ない状況に至る。楽しいお喋りの早口で出やすいのは、日本語もドイツ語も同じ、そう、ジョークである。これをしっかり聴き取り、反応するのは今の私には容易ではない。「何て言うたん?」と尋ねるのは野暮だし、かといってわからないままだと、次のジョークもいっそう受け止められない。結局は、やんわりとタイミングを見計らって「もう一回、言うてくれる」にならざるを得ない。
そんなこんなで、ドイツとのつきあいが続いている感じ。お題はそうそう、動機づけやったね。慣用表現を含め、ドイツ語にいっそう励みます、という独り言、おつきあいいただき、ありがとうございました。