学校では(でも)子どもたちが共に時間を過ごすことが大切だ、とおおよそ考えられている。なぜなら、他者との関わりを通じて共感や葛藤といった意味ある経験ができるし、自身の発見にもつながるからだ。
これと同時に、こうも考えられる。共に過ごすとはいえ、その規模や頻度はどのくらいを想定すればいいのだろうか、と。うん十人も一緒だとウマの合わない人もいるだろうし、いくら仲がいいとは言ってもあまりにしょっちゅうだと息が詰まる。それに、一緒に過ごすことが目的でもある一方、学校は「教育目標」に向かって活動するところでもあるので、子どもの理解や習熟の速さ、興味や関心の強さの違いによって不都合なことも起こる。
集合的関係と個別との兼ね合い、できることなら両方にとって望ましい学校の姿を、いかに描くことができるか。学級、グループ、個々の組み合わせが問われる所以だ。この古くて新しい問題は、今なお解決はおろか、改善されたともあまり言えないように思う。だから、何が問題なのか、どこで立ち止まっているのか、を確かめること、この作業から始める外ない、と私はいつも思ってしまう。