学校・教職員の現在と近未来-榊原禎宏のブログ

柔らかく考えたい

「大阪の公立校、選挙人事禁止へ」(毎日新聞、20140513)を読んだ。

少なくない学校で校内人事に関して教員による選挙が行われ、その結果が校長の人事権を事実上脅かしているという指摘を受けた今回の措置についてだ。

確かに、法的な根拠を持たない選挙の結果を示されて「民意ですから」と校長が迫られるのは、「校長は校務をつかさどり、所属職員を監督する」(学校教育法、第37条)に照らして問題だろう。しかし、その上で、このように考えてみてもいいのではと思う。

つまり、選挙の結果が当該校の教員(投票するのが教職員ではない辺り、教員の傲慢さを個人的には感じるが)をある程度まで示しているとして、それを踏まえて校長が任命するという、いわば諮問過程として、参考意見の聴取として投票を位置づけるという論理だ。「このように人事を決めたのは、皆さんの意向を受けてのものでもあるのですよ」と校長がツッパる気概があれば、この自生的な仕掛けはスムースに人事を決める上で使えると思うのだ。たとえば、研究主任などやりたがる人がいないだろうから、みんなでこの人と決めてくれれば、校長も任命しやすいだろう。

同記事中にもこうある。「選挙なんてばかばかしいと思う一方、納得して仕事をさせるためのうまい仕掛けだとも思っている。…円滑に学校運営をするための効用もあると指摘する」。まさにそうだと思う。

法定された選挙ならば、「民意」には従わなければならないが、今回の場合はそうではない。だから、選挙をするかどうかの決定を校長の権限とすることが、学校教育法の趣旨にもっとも適うと言うべきである。

もちろん、選挙に限らずともよい、アンケートにしてたとえば「この分掌にふさわしいと思うひとを二人挙げてください」と問いかけてもよい。選挙ならば通常一人であることの弱点を、この方式では補うことができる。あるいは、高校あたりならば生徒に原案を示し、賛否を問うという過激なやりかたもなくはない。「生徒のための学校」なのだから、彼らの意見を第一に聴くべきという論理は可能だ。真面目にこの方法、やってみませんか。まさに校長の権限行使の一環として。

つまるところ、何のために、どのような方法がありうるかを幅広く考えられるかどうか、それが教育委員会の能力であるし、校長の力量でもある。「禁止」にしたから校長が腕を振るえると、教育委員会が考えている訳ではないだろうが、工夫の足りない、後味の悪い判断だなあと、私は思う。
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by walk41 | 2014-05-14 19:20 | 学校教育のあれこれ | Comments(0)
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教育学の一分野、学校とその経営について考えます。
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