めったに行かないのだが、久しぶりに患者として病院に行った。
診察を待っている間、壁を見ると「感謝状」とあるので、何だろうと読んでみると、患者に名前確認に協力してもらっていることへの感謝を院長名で記しているではないか。今どきの患者目線に立った取り組みやなあと見ていたら、看護師が問診票の挟まれたバインダーを私に手渡しながら、声をかけて来た。
「これまで、診てもらったことある?」「今日はなんで来たのかな」「熱はある?」と言葉を継いだので、一呼吸置いてこう答えた。「あなたと私の関係って、何でしたか?」すると、何かに気づいたのか、看護師は名乗り、「この問診票を書いてもらえますか」と口調を改めて返した次第だ。
確かに、砕けた口調がラポール形成に寄与することもあるだろう。しかしながら、相手がそれを受け入れるつもりができていないのに、こう迫られては不愉快極まりない。
と同時にこうも気づかされた。自分が学生に接するとき、ぞんざいな態度を示してはいないだろうか。相手から声が聞こえてこないゆえに、知らないことが少なからずあるにではないだろうか、と。