集中講義をしながら思わされる。学校の活動を、その9割近くを占める授業という「ケ」(地味な日常)と1割少しほどの行事という「ハレ」(派手な非日常)に分けてみると、後者については、PDCAサイクルや目標管理といった発想に馴染む余地があるのではないか、と。
たとえば、運動会や修学旅行、行われる日は決まっているし、行われるべき内容もそれなりに客観的だ。いつ頃から準備を始めればいいかも見当はつけられるし、終わりもほぼわかる。「ケ」の時間に戻らなければならないから。また、一人だけで行事はできず、それぞれが全体の一部を分業、そして協業しなければ成立しない。つまり、捉えるべき事実の範囲がある程度まで明確だから、議論も行いやすい、という特徴を帯びる。
これに対して、「ケ」の代表格である授業は…と続くのだが、この「ハレ」に注目した学校の組織論や運営論は、完成品をほぼ前提にしている多くの業態に似せて議論できるように思う。もちろん、これが当てはめられないだろう圧倒的な時間や場が学校にはあることを一方に見据えながらではあるけれど。