南西ドイツの基礎学校を訪れたが、教員の力量次第やなあと、強く思わされた授業があった。
2年生への英語だったが、この女性教員は、私が見た限りこんな感じで進めた。
①猿のぬいぐるみを抱き、歌で授業をスタート。
②バスケットボールだったかな、七色のボールを示したフリップを順に張り出し、子どもにred, yelllow と言わせる。
③予め黒板に記していた七本の帯線と色の頭文字の順に、「o は何かな?」と手を挙げさせ、子どもの手でチョークで色を載せていく。写真は今から色を置いていくところ。
④これができたら、虹の色の歌をみんなで歌う。この時が初めてではないだろうね。
⑤教室の後ろに全員が移動、車座にただし椅子に座って、「blueの服を着ている人は動いて」とゲーム。全員が動く掛け声も忘れない。
⑥最後に、家に帰ったら七色の英語の話をお家の人にするようにと伝えて、おしまい。
20人ほどの規模だからこそできる部分もあるだろうけれど、45分の授業を、a.子どもを飽きさせないテンポ、b.話す、聴く、読むという活動の幅(書くことはこの時間ではなかったけれど)、c.教員がエンターテイナーとして楽しそうに振る舞うこと、d.教員の行動が話す、聴く、読む、書く(板書)だけでなく、ギターを弾いたり、歌ったりと、演出に関わる力量を持っていること、を見たように思う。
ちなみに授業後、この方は「全ての教員が楽器を演奏できることが必須だと私は考えているけれど、多くの学生が、楽器は、音楽は…と引き気味なのは残念だ」と話されていた。なるほどと思う。
メニュー豊かに授業を構成できること、いわゆる一本調子ではないこと、そのためにも教員が多面的に教材を理解できていること、また教材を自分なりに再構成して、状況に合わせて柔軟に対応できることが大切と感じさせられた。そのために求められる教員の身体性(発話、子どもとのやりとり、子ども同士の声を聴く、音などを介して楽しい雰囲気を作り出す、といった)を深めてみたいと思った次第だ。