教務主任ほか、いわゆるミドルリーダー対象の研修会、3時間ほどを担当した。
その夕方からの会で、傍聴していた担当課長が「漫談の極致ですね」と研修での感想を漏らしてくれたことを、とても嬉しく聞いた。受講者の皆さんとまあまあ良い時間を持てたことに、ああ良かったなと感じた。
おおよその筋書きはあるけれど、あとは受講者/参加者の皆さんとのやり取りを通じて変化する、けっこう柔軟なものーこんな風に研修や講演ですら私は捉えているので、柔らかさが出るのだと思う。自分だけでその場を仕切ろうとは思わない、ある程度は参加者や講師とのやり取りで生まれる場の雰囲気のようなものに委ねようとつもりしているから、時間の管理は多少必要だけれど、けっこう「出たとこ勝負」になっているのだ。
こういうスタンスは、計画ー実施ー点検・評価ー再実施というサイクルと相性が悪い。もちろん、PDCAサイクルが合理的な領域もあるだろう。しかしながら、研修や授業は、講師や授業者だけで制御できないという基本的性格を必ず帯びているので、自分だけでなんとかしようとするとまず間違いなく他の当事者とズレを生じてしまい、結果、よろしくなくなる。そのような存在として研修や授業を理解し、その上でどのように行為すれば良いかを考えるという、認識の筋道を辿ることが肝心なのだ。
先の課長は「いつもなら、何人か寝る受講者がいるのですが、今日はそんなことはなかったですね」とも話してくれた。講師は、寝る暇を与えず、常に問いかけて、議論に巻き込もうとしているのだから。相手への信頼、自分が信頼を得られるようなラポール形成、まさに人格と切り離せないのが、教育や学習に関わる仕事だなあと、そんな話題を扱う自分のあり方としても言い得ることに気づいた。