大学でも授業が始まった。最初の時間は一回生、つい通日前に入学した君たちだ。
教室に行くと、出会ったばかりの専攻メンバーと肩を寄せ合って座っている。ちなみに、どの学校段階でもそうかもしれないが、男子学生の方がいささか幼く見える。
始めに荷物を持って立ってもらい、ルールに従い一列に、専攻別をシャッフルして4人ごとの班を作る。班長を決めてから自己紹介、パラパラと拍手も起こる、いい雰囲気だと思う。その後、レジュメを班ごとに取りに来てもらい、こちらの話を始めた。
「問いを立てるということ」「なぜそう考えるのかを考えてみること」「判断する前に観察すること」「なぜ人文・社会系の分野では観察することが難しいのか」「見る前に見られるとはどういうことか」と続ける。授業後の感想文には、高校とは大きく違う授業に驚きながらも、これからへの期待が多く綴られていた。
大学で授業を担当して四半世紀、ルーティンになることなく、気持ち新たに彼らに向き合いたいと思う。新学期、とくに新年度の始まりは、授業者にとっても、プチ生まれ変わることのできる季節である。大いに励みたい。