小学校に伺い、校内研修に参加させてもらう。
これまでも繰り返しケンカを売っているように、校内研究、なかでも授業研究は、普遍性や法則の発見というよりも、認識と解釈の幅を広げて、より多様な授業ができるように教員を促し励ますこと、と話したところ、研究主任が「でも、それではまとめにならないような気がしてしまうんです」と話してくれた。
そうなんだな、って重ねて思う。教員にとって「まとめ」は一つの結論であり、一つとが、焦点化された、収束したものだという前提に立っているということを。
だから、このようにお答えした。「同じ学校に勤めていても、教員によってこれだけ注目する事実や論理が幅を持っていることがわかった、と言うのでいいのですよ」と。すぐさま、「今のことをノートとっていいですか」とメモをされていたけれど、うまく伝わったかしら。
研究は蓄積、まとめは焦点化された一点という思い込みが、旧態依然の仕組みを維持しているならば、どうしたらいいのかという方略を尋ねる人に強調したい。物の見方、考え方を変えることで行為を変えましょう、と。改善や解決のヒントは、意外に身近な、しかし難しいところに、きっとあるのだろう。