学校・教職員の現在と近未来-榊原禎宏のブログ

「係活動」再考

大学の授業で、現職教員をお招きし、学校での最前線の話を聴く機会がある。

私も聴かせてもらうが、今回おもしろいことを伺うことができえた。それは小学校における「係活動」についてである。

教職歴、十数年のこの方は、係活動というと、教員が児童に何かをさせるものと捉えがちなことに疑問があり、そうではなく、「この学級をより良く、より過ごしやすくするためにどんなことができるか」を子どもに考えさせ、彼らから出されてくるものを、活動として認めていく方向で学級経営をされているという。

これを喩えれば「会社」だということで、この学級では班長は社長になるのだとか。子どももこれに乗って、専務とかバイトとか言い出すそうで、「バイトって何やねん」という話にもなるとか。学校での畑作業をしている学級担任を手伝うと、「HTK」(はたけ)サークルもできたそうで、楽しげなクラスの雰囲気が伝わる。

学級は理念が先にあって、これを実現するために組織されたものではないけれど、子どもを「生徒化」など社会化することが学校教育の目標でもあるので、「クラスのために」「みんなで助け合って」と集合的な関係がことさらに強調される。もちろん、そういうことに関心がない児童・生徒や、彼らの社会的能力が状況に対応しにくい場合もあるので、その気がないのに過度に求めると反発を買いかねないが、教員はおしなべて「仲間」「親友」そして「大好き」とメッセージを発し続けて、子どもたちに「まあ、しゃあないなあ」と消極的ではあれ、巻き込もうとするのだ。

この点でこの教員の試みは、確かに学級の存立基盤を疑わせないものでもあるけれど、どうせ一緒に学級生活を送るのならば、楽しくやろうよという一種の開き直りをして、じゃあどうすると子どものアイディアを募り、具体化させている点で優れていると思う。この呼びかけに応えてくれるような児童とのラポール形成に成功していることも、この教員の優秀さである。

学校で働く皆さん、皆さんのクラスでは、どんな係活動がいかに決められ、児童・生徒はどのように臨んでいますか。彼らにとって学級とはどのような場になっていると捉えていますか。
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by walk41 | 2015-05-16 17:31 | 学校教育のあれこれ | Comments(0)
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教育学の一分野、学校とその経営について考えます。
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