ギア-GEAR-という舞台を観た。みなさんの感想などは、たとえばこちら http://togetter.com/li/299764?page=2 けっこう盛り上がっている様子。
日本初のノン・ヴァーバルのパーフォーマンスと楽しみに出かけたが、私の感想はちょっと残念、だ。
パントマイム、ブレイクダンス、マジシャン、ジャグリングに秀でた男性、そして可愛い女の子、というキャストなのだが、舞台設定はあるものの、物語はほぼない。お人形さんだった女の子が、次第に豊かな感情としなやかな身体を獲得していく流れは確かめられるものの、なぜそうなったのかは不明だ。プロジェクションマッピングは見事だったし、ロボットに扮した男性4人の息はよく合い、コミカルなシーンも組まれていて楽しい。何より、四種類のパーフォーマンスは見せるものがある。けれど、なぜこれらのパーフォーマンスなのか、路上でやっている人が舞台上でやっているだけ、といえば厳しすぎるだろうか。
非言語のパーフォーマンスというふれこみだが、このメンバーではそうならざるを得ない。言葉でも言えることを非言語で、というのではなく、非言語でしか表現できないシロモノではないかな。
見終わって、チラシを見直した。なーんだ、始めからそう書いてあるやん、「演劇でもない、ミュージカルでもない、サーカスでもない」って。辛口かしら、それぞれをちょっとずつ観たい人には嬉しいけれど、それぞれのプロを見たい人には物足りない。何でもあり、と捉えるか、何屋さんかわからないと見なすか。
でも素晴らしいことではあると思う。大道芸人にスポットライトを当てて、彼らを評価する機会を提供していること、いくばくであれ金銭的サポートにもなっているだろうことは。新鮮な経験でした、はい。