いじめ問題について学生に話す。
無視する、除け者にすると聞くと、強者が弱者に対して振る舞うさまを思い浮かべがちだけれど、自分にとってわからないもの、違和感を感じるもの、ときに恐怖をおぼえるものに対して、つまり忌避として排除する場合もある、と。
たとえば、電車の中で奇声を発する人に稀に遭遇することがある。別の車両に移ったりはしないだろうか。あるいは、外国人の隣の席にわざわざ座ろうとはしない、ということはないだろうか。はたまた、大昔の話だけれど、黒人の人を見るとびっくりして一歩引くということもかつてはあっただろう。
祖先の経験の賜物かどうかは知らないけれど、こんな振る舞いを我々がなしうることを踏まえること、「いじめは許さない」と声高にスローガンを叫ぶことに抑制的なこと、生徒をどう指導するか、と同時にあるいはそれ以前に、自分の知覚、認識、感情を分析することが重ねて大切だと思う。