学校・教職員の現在と近未来-榊原禎宏のブログ

学校事務職から学校秘書へ?

学校事務職のみなさんとの研修会、教員中心の学校にあっておそらく支配的な価値(臨機応変、不正確、無限定といった)と、そこで多くは孤軍奮闘する学校事務職との葛藤を述べ、まずはこの状況を知ること、その上で、メタ認知的に問いを立てることが大切ではないかと話す。

ここまではいわば初級編。今回のみなさんの多くは私の話を一度は聞いており、その先を知りたいと事前アンケートにあったので、次のような話題提供をしたのだ。そこで紹介したのが、ドイツの学校秘書(Schulsekretariat)のことである。

学校秘書の職業像-変化の中の責任ある業務

電話口であっても対人的であっても、学校秘書はたいてい学校と学校外の「お客」すなわち、生徒、保護者、教員、教育職以外の学校スタッフ、官庁、業者、卒業生、近隣住民、街の部局、配達人、スポンサー等の第一のコンタクトポイントである。学校生活に関わる全ての人々が、たとえ一人で働いていてもなお、学校秘書の存在に期待している。緊急時、学校秘書はコンタクトポイントとして連絡が取れなければならない。また、情報と相談の領域においても学校秘書は、サービス能力が直接的に求められるのである。すなわち、統合された有能な学校秘書は、学校の中と外に影響を及ぼす。

こんな文章で自身を語る、Webネットワークのページを見ると、彼の地でSchulsekretariatがどのように働いているか、また何がこれからの課題かを伺い知ることができる。

推測するに、義務教育段階で言えば、ドイツの学校秘書は日本の教頭に近い仕事をしているように見える。電話を取る、来訪客に応じる、いつでも連絡が取れるようにすることといった業務はまさにそうだろう。こんな方向で、学校事務職の近未来を考えられないだろうかとボールを投げた次第。

これに対する皆さんの反応は、意外なものだった。もちろんみんながという訳ではないけれど、こうした方向よりも、狭い意味の事務により傾きたいと手を挙げた人が多かったのだ。そうなのかと研修を終えて戻った部屋で教育委員会の指導主事が言った。「年配の人はともかく、若い事務職の中には、他者とコミュニケーションを取りたがらず、パソコンに向かって仕事をするのがいい、という人がいますね。」私が返した。「だったら、学校事務職は学校にいなくてもいい、外注してもいい、という話になりますね。」「まさにその通りです。」

学校事務という職位の来歴とこれから、当該のみなさんはどんな方向を見据えているのだろうか。
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by walk41 | 2016-07-28 06:52 | 学校教育のあれこれ | Comments(0)
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教育学の一分野、学校とその経営について考えます。
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