NHK, 「ファミリー・ヒストリー」を見た。1948年生まれの歌手、財津和夫の家族の話を興味深く聴いた。
元々は緒方という姓だった家系がなぜ財津になったのか。それは、和夫の祖父の子ども時代に遡る。祖父にあたる民平が自身は通えなかったものの、近くの小学校の学舎に行っては授業の様子に耳をそばだてていた様子に、学校に来るかと声をかけてくれた教師が、財津という姓だったのだと言う。
それが起点となり、和夫の祖父はいわゆる立身出世を遂げた。学校に通ったことで、人生の選択肢を得たのだ。和夫の祖父が自分の息子の姓を変えるほどに、当時の教師の影響が大きかったと感謝していたこと、そして、明治以前の身分社会に替わる能力主義の到来を告げる学校の姿が生き生きと見える時代だったこと、いずれもとても印象深かった。