大阪は天神橋筋の「大阪くらしの今昔展示室」に、昭和20~40年代の「懐かしい遠出の思い出」として、一枚の写真が展示されている。そこに、小学生も参加したウサギ狩りの様子がはっきりと写っているのだ。
そこで、ウサギ狩りをキーワードに検索すると、昔の記憶を語っている人のページが散見される。ウサギ汁を食べた、「棒に四足をくくられた獲物が高々と掲げられると、子どもたちは「エイ、エイ、オー!」と勝どきの声を上げるのでした」といった記述もある。なかなか逞しい。
さて、時代は変わって現在。こんなページに出合った。熊本大学附属小学校の学校行事である。「今年も附属小学校の伝統ある行事『うさぎ狩り』が行われました。網隊と勢子隊に分かれ、先生、児童、保護者が参加し、うさぎ狩りを成功させようと、熱い思いを込めてこの日を迎えました。」(2014.12)とある(http://kumamoto-fuzokusho.com/?p=4436)。ほう、今でもウサギ狩りが行われているのか、と読み進む。
ところがあにはからんや、ページはこう終わっていた。「今年の結果は残念ながらうさぎを保護することはできませんでしたが来年に向けての思いを、後輩たちにしっかり引継いでいけたことと思います。」えー、ウサギ狩りって、ウサギを保護する(一体なにから??)ことだったのかー。
ウサギ狩りって「狩り」なんだから、「保護」とはちゃうやろ、と突っ込んでも仕方がない。ウサギを捕らえて食べる、あるいは増やして食べるために掴まえる、という話とまったく違うことはよくわかった。
学校で扱われる「命を大切に」や「命の教育」というものが、いかに時代に左右される、まあいい加減なものか、一例を見た次第だ。