府県を跨ぐ教員のみなさんの報告会に参加する、とても勉強になった。
いわゆる困難校での取り組みを聴く。当時の学校の様子に絶句する。およそ学校とは思われない有様に、やがてではあるけれど、「どうしたら改善できるか」を教職員に問い、小さなグループで模造紙を前に議論を交わす中で、できそうなアイディアを出し合い、これならできそうだと決まれば、必ずやるということを重ねたという。
自分たちで何を問うべきかを整理し、それに適うアイディアを出すこと、そして実際に試みることを通して、少しずつ変化を実感していくことーこれらが当事者性を高め、自分たちの学校という自負と自信を高めていくのでは、と思われたのだ。
この発想は生徒が動いてくれる学校づくりにも活かされていると感じた。校長の話も含まれるが、進行は生徒によってなされ、折々の問題提起も生徒主導で行われるのだそう。以前ならば、8:25までに登校なのに8:50頃に何十人と生徒が歩いていたが、今は生徒が遅れ気味の生徒を校門へと誘うのだとか。8:20を過ぎて歩いている生徒はほぼいないとのこと。こうなるまで何年もかかったことだろうが、凄い変化だなあ。
妙案といっていいのだろうか。(できるかどうかわからない)目標が下されるのでは当事者性は生まれない。できそうな目標を考えることを通じて、主体性を得ていくこと、一緒に考え意見を交わす間柄としてメンバーシップを作っていくこと、そんなことが困難な状況にあって、関係者がやりがいや確からしさを持ちうるのでは、と思ったことだった。